第12期事業計画書【抜粋】

基本方針

 令和5年10月より、消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入され、これまで免税であった事業者についても、制度の選択によっては課税事業者となることとなった。個人事業者においては、制度の内容や記帳方法など、定着までには一定の期間が必要であると考えられ、継続的な記帳指導やサポートが必要である。定期的に開催している記帳個別指導会等を通して、会員をはじめとする納税者が、インボイス制度等に適切に対応した記帳が可能となるよう、指導体制を充実するとともに、記帳の重要性の周知にも努める。

 また、各種会計ソフトの普及により、自ら会計ソフトでの記帳を行う事業主が増加する中、簿記の知識不足による誤った記帳や、会計ソフトの誤った使い方や設定により、決算時に大幅な修正が必要な事業者も散見される。今後も増加が見込まれる会計ソフト利用者のサポート体制を構築して、会員の記帳水準の向上とあわせ、確定申告指導の効率的な運営につなげる。

 会財政及び組織運営においては、安定的な会運営のため、指導事業での新たな収益源の確保に取り組む。また、役員改選に向けた組織体制の見直しを図り、加えて充実した指導体制の強化を図るため、人材の確保と職員研修・教育の充実を図る。

 人口減少と少子高齢化が急速に進み、就労人口の減少、個人事業者の減少や物価・エネルギー価格・人件費高騰等の課題が山積する中、当会が今後も安定的に会運営を継続できるよう5年程度の中期計画を策定し、会のサービスやコストに見合った適正な会費等を検証した上で中期計画に反映したい。

記帳支援

 事業所得と雑所得の判定には、記帳及び帳簿書類の保存が重要であり、記帳の重要性が増している。すべての事業者に記帳義務が課されている現在、適切な会計帳簿の作成は必要不可欠である。新規開業者を含む個人事業者が、税制改正に対応した適切な記帳が習得できるよう、各種指導会等を開催し、記帳水準の向上を図るとともに青色申告制度の普及拡大に努める。
 会計ソフトの普及が進む中、適正な記帳に基づく決算・申告が可能となるよう会計ソフト相談会等を実施していく。また、ICTを活用した記帳サービスを試行的に活用するとともに、本格的な運用に向け継続的に検討していく。

決算・申告指導

 所得税及び消費税の決算・申告指導は、申告納税制度の根幹を支える重要な事業であり、東京地方税理士会小田原支部のご協力を頂き、税務当局と連携を図り、適正な自主申告の推進に努める。
 また、申告納税環境のICT化が加速する中、e-Taxやマイナンバー制度の普及定着に努めるとともに、インボイス制度にも適切に対応していく。
 確定申告指導会場の運営については、事前申込制度を継続し、会場利用者が安心して利用できる環境を整える。

租税教育

 小学生を対象に、書道を通じて税の重要性を学んでもらうため、管内在住・在校児童を対象に税の書道展を開催する。この事業は、当会の代表的な公益事業として地域に定着し、例年全児童の7割程度の出品を頂いている。社会情勢を注視しながら、近年実施しているWEB展示の結果を検証し、作品展示方法等を検討する。
 また、小田原税務署管内すべての高等学校を対象に、税務署が租税教室を開催し、その講義を受けた受講者から税に関する感想文を広く募集することで、近い将来社会で活躍する若い世代へ、税の役割や重要性に触れる機会を設ける。

広報紙「青色十色」発行等

 広報紙「青色十色」は、当会の各種事業の広報とともに、税に関する情報を会員及び地域住民に広く周知する上で重要な役割を担っている。事業者目線に立ち、重要な税制改正や記帳支援事業の広報とともに、親しみやすい紙面構成を心掛け紙面製作を行う。また、当会ホームページからも随時情報発信を行い、パソコン・スマートフォンからも情報取得できるようサイトの充実を図り、若年層の会員獲得につなげる。
 


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